「あくび」の語源は?なぜうつるのか科学でも完全に解明されていない


1. 「あくび」の語源は「欠伸(あくび)」

「あくび」は漢字で「欠伸」と書きます。「欠」は口を大きく開けること、「伸」は体を伸ばすこと。口を開けて体を伸ばす動作そのものが語源です。古語では「あくぶ」とも言いました。

2. 「欠」の漢字は象形文字

「欠」という漢字は、人が口を大きく開けている姿を横から見た象形文字です。「欠伸」「欠乏」など、口を開ける・足りないという意味で使われます。あくびの漢字が人の姿そのものというのは面白い成り立ちです。

3. あくびが出る本当の理由はまだ謎

「酸素が足りないから」という説は現在では否定されています。有力な説は脳の温度調節説で、あくびで大量の空気を吸い込むことで脳を冷却しているというもの。ただし、これも完全には証明されていません。

4. 退屈なときだけでなく緊張時にも出る

あくびは退屈なときに出るイメージがありますが、実はスポーツ選手が試合前にあくびをすることがあります。これは脳が過度の緊張状態をリセットしようとする反応だと考えられています。

5. あくびがうつる理由は「共感」

あくびが他人にうつる現象は**「伝染性あくび」**と呼ばれます。これは共感能力と関連しているとされ、親しい相手ほどうつりやすいという研究結果があります。ミラーニューロン(模倣に関わる脳の神経細胞)の働きが関与していると考えられています。

6. サイコパス傾向が強い人はあくびがうつりにくい

共感能力との関連を裏付ける研究として、サイコパス傾向が高い人ほど他人のあくびにつられにくいという報告があります。あくびの伝染は、他者の感情を無意識に読み取る能力の指標かもしれません。

7. 犬にもあくびはうつる

犬は飼い主のあくびにつられることが研究で確認されています。しかも見知らぬ人よりも飼い主のあくびに反応しやすいことがわかっており、犬と人間の間にも共感のメカニズムが働いている可能性があります。

8. 胎児もあくびをしている

超音波検査により、妊娠12週ごろの胎児がすでにあくびをしていることが確認されています。生まれる前からあくびをしているということは、あくびは学習された行動ではなく、生物に組み込まれた原始的な反射です。

9. あくびの平均時間は約6秒

一回のあくびの持続時間は平均約6秒とされています。この間、心拍数が上がり、顔面の血流が増加し、涙が出ることもあります。短い時間に体内で多くの反応が起きています。

10. あくびを止める方法は科学的に確立されていない

「舌で唇を舐める」「鼻で深呼吸する」「額を冷やす」など民間療法はありますが、あくびを確実に止める科学的に実証された方法はまだありません。あくびは思った以上に制御が難しい生理現象です。


口を開けて体を伸ばす。そのシンプルな動作の裏に、脳の冷却、共感のメカニズム、胎児からの原始反射と、科学でも解き明かしきれない謎が詰まっています。