「蝶々(ちょうちょう)」の語源は"てふてふ"?ひらひら舞う虫の名前の由来
1. 古語では「てふてふ」と書いた
「蝶々(ちょうちょう)」は歴史的仮名遣いでは「てふてふ」と表記されていました。古代の発音は「テフテフ」に近く、これが長い年月を経て「チョウチョウ」に変化しました。
2. 「てふ」の語源は羽ばたきの擬態語
「てふ」の語源には諸説ありますが、蝶が羽をひらひらと動かす様子を表した擬態語であるとする説があります。軽やかに舞う羽の動きが「てふてふ」という音で表現されたとされています。
3. 漢字の「蝶」は中国語から
「蝶」という漢字は中国語から借用したもので、「虫」偏に「葉」の変形である「枼」を組み合わせた形声文字です。葉のようにひらひらと飛ぶ虫という意味が漢字の成り立ちにも反映されています。
4. 「蝶」と「蛾」の区別は日本語独特
日本語では「蝶(ちょう)」と「蛾(が)」を明確に区別しますが、昆虫学的には両者の間に明確な境界線はありません。フランス語では両方を「papillon(パピヨン)」と呼ぶことがあり、言語によって分類の仕方が異なります。
5. 「胡蝶(こちょう)」は優雅な呼び名
蝶の雅称として「胡蝶(こちょう)」があります。『源氏物語』にも「胡蝶」の巻があり、平安貴族の間では蝶は優雅さの象徴でした。「胡蝶の夢」は荘子の故事で、現実と夢の区別がつかない境地を表します。
6. 蝶は魂の象徴
日本の民間信仰では、蝶は死者の魂や精霊が姿を変えたものと考えられてきました。お盆の時期に蝶が飛んでくると「ご先祖様が帰ってきた」と解釈する地域もあります。
7. 家紋にも蝶のデザインがある
日本の家紋には蝶をモチーフにしたデザインが多数あります。「揚羽蝶(あげはちょう)」は平家の紋として知られ、優雅さと武家の格式を兼ね備えたデザインとして人気があります。
8. 「蝶結び」は解けやすい結び方
リボン結びを「蝶結び(ちょうむすび)」と呼ぶのは、結び目の形が蝶の羽に似ていることからです。何度でも結び直せる蝶結びは、お祝い事で繰り返しあってほしい場面に使われます。
9. 「蝶番(ちょうつがい)」はドアの金具
ドアの開閉に使う金具「蝶番(ちょうつがい)」は、開いた形が蝶の羽に似ていることから名付けられました。「蝶+番(つがい=一対)」で、左右一対の金具が蝶の羽のように開閉する様子を表しています。
10. 春の季語としての蝶
俳句では「蝶」は春の季語です。「蝶の昼」「蝶の夢」など、蝶にまつわる季語は多く、春の穏やかな日差しの中をひらひら舞う蝶の姿は、日本の春の情景として愛されています。
「てふてふ」から「ちょうちょう」へと音が変わりながらも、ひらひら舞う姿は千年前と変わらない。蝶は日本人にとって、春の訪れを告げ、魂の行方を感じさせる、もっとも詩的な虫です。