「招き猫」の語源は"招く猫" 商売繁盛の縁起物の由来
1. 「人を招く猫」が語源
「招き猫(まねきねこ)」は「招く」と「猫」を組み合わせた言葉で、前足を上げて人を招くような姿をした猫の置物を指します。客や福を招き寄せるという縁起担ぎから、商売繁盛の象徴として親しまれています。
2. 豪徳寺の猫の伝説
招き猫の発祥にまつわるもっとも有名な伝説は、東京都世田谷区の豪徳寺のものです。彦根藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰り、寺の前で猫が手招きするのを見て寺に立ち寄ったところ、直後に雷雨が降り出し難を逃れたという逸話が伝えられています。
3. 右手と左手で意味が違う
招き猫は上げている手によって意味が異なるとされています。右手を上げている猫は「お金を招く」、左手を上げている猫は「人(客)を招く」とされています。両手を上げたものは「お手上げ=欲張りすぎ」とされることもあります。
4. 色にも意味がある
招き猫は色によっても異なる意味を持つとされています。白は全体的な福、黒は魔除け・厄除け、金は金運、赤は病除け、ピンクは恋愛運など、さまざまな色のバリエーションが存在します。
5. 三毛猫がモデルとされる
招き猫のもっとも一般的なデザインは三毛猫をモデルにしています。三毛猫の雄は遺伝的にきわめて稀であり、古くから幸運の象徴とされてきました。希少な雄の三毛猫は船の守り神として船に乗せられたという言い伝えもあります。
6. 常滑市は招き猫の一大産地
愛知県常滑市は招き猫の一大産地として知られています。常滑焼の技術を活かした陶器の招き猫が多数生産されており、市内には巨大な招き猫の像「とこなめ招き猫通り」もあります。
7. 「猫の手も借りたい」との関連
「猫の手も借りたい」は忙しさを表す慣用句ですが、招き猫はまさに猫の手で福を招く存在です。役に立たないはずの猫の手が、招き猫では福を呼び込む有能な手になっている点が面白い対比です。
8. 海外でも “Lucky Cat” として人気
招き猫は「Lucky Cat」「Fortune Cat」として海外でも広く知られています。中華料理店やアジア系の店舗で見かけることが多く、日本文化の輸出品としてもっとも成功したものの一つです。
9. 手の動きは「おいでおいで」
招き猫が手を上げる仕草は、日本式の「おいでおいで」の手招きを表しています。手のひらを下に向けて指を動かす日本の手招きは、欧米では「あっちへ行け」の仕草に見えることがあり、文化の違いを示す興味深い例です。
10. 九月二十九日は「招き猫の日」
「くる(9)ふ(2)く(9)=来る福」の語呂合わせから、9月29日は「招き猫の日」に制定されています。日本招猫倶楽部が制定したこの記念日には、各地で招き猫にまつわるイベントが開催されます。
前足を上げて福を招く「招き猫」。豪徳寺の伝説から始まったとされるこの愛らしい縁起物は、日本の商売の現場から世界のレストランまで、静かに手を振り続けています。