「落語」の語源は?オチのある話芸の名前が生まれた江戸時代の歴史
「落ち」のある話から「落語」へ
「落語(らくご)」という名前は「落ち(おち)のある語り(はなし)」を縮めた言葉です。「落ち(落)」は話の結末に置かれるユーモラスなオチ(結末の笑い)を指し、「語(語り)」はその語り物・話芸を意味します。オチで笑わせる話芸=落語という名前が定着しました。
「落とし話(おとしばなし)」という別名
落語はかつて「落とし話(おとしばなし)」「話(はなし)」とも呼ばれていました。「落とし話」は「落ち(オチ)を落とす(置く)話」という意味で、「落語」という漢語表現が普及する以前から使われていた和語の名前です。
落語の起源は安土桃山時代
落語の起源は安土桃山時代(16世紀末)にさかのぼります。豊臣秀吉に仕えた御伽衆(おとぎしゅう)の曾呂利新左衛門(そろりしんざえもん)が、オチのある面白い話を語ったのが落語の始まりという伝承があります。
江戸時代の「寄席」で発展
落語が現在の形に発展したのは江戸時代中期(18世紀)です。江戸・大坂・京都に「寄席(よせ)」が生まれ、庶民の娯楽として落語が根付きました。この時期に「三遊亭円生(さんゆうていえんしょう)」など著名な落語家が次々と登場しました。
「上方落語」と「江戸落語」の違い
落語には「上方落語(かみがたらくご)」(関西)と「江戸落語(えどらくご)」(関東)という二大流派があります。上方落語は「見台(けんだい)」「膝かくし(ひざかくし)」などの小道具を使うのが特徴、江戸落語は小道具を使わないシンプルなスタイルです。
「噺家(はなしか)」という職業
落語を演じる人を「噺家(はなしか)」または「落語家(らくごか)」と呼びます。「噺(はなし)」は「話(はなし)」の口語的・芸能的な表記で、話芸を専門とする職業人を指す専門用語です。弟子入りから始まる師弟関係が今も続いています。
「枕(まくら)」「本題(ほんだい)」「オチ(落ち)」の構成
落語の語りは「枕(まくら)=導入のフリートーク」「本題(ほんだい)=メインの話」「オチ(落ち)=結末の笑い」という三部構成が基本です。「枕」で聴衆をあたため、「本題」で話を展開し、最後に「オチ」で笑わせる流れが落語の骨格を作っています。
「古典落語」と「新作落語」
落語には江戸・明治時代から伝わる「古典落語(こてんらくご)」と現代の落語家が新たに作る「新作落語(しんさくらくご)」があります。「時そば」「芝浜」「粗忽長屋」などの古典落語は何百年もの時代を超えて演じられ続けています。
一人で全役を演じる究極の話芸
落語の最大の特徴は、一人の演者が扇子・手ぬぐいだけを使い、複数の登場人物を声・表情・仕草だけで演じ分けることです。舞台装置も特殊効果もなく、言葉と身体だけで情景と感情を生み出す落語は、話芸の極致として世界にも類を見ない芸能です。