「渋谷」の地名の由来は?渋い谷に関係ある意外な歴史
1. 最有力説:渋谷川の流れる「しぶい谷」
渋谷の由来として最も有力なのは、地形に基づく説です。この地域は谷地形で、そこを流れる川の水が鉄分を含んで**赤茶色(渋色)**に濁っていたことから「渋谷」と呼ばれるようになったとされています。
2. 渋谷氏という武士がいた
平安時代末期、この地域を治めた**渋谷重家(しぶやしげいえ)**という武将がいました。「渋谷」の地名が先か、渋谷氏が先かは諸説ありますが、渋谷氏は実在の豪族で、相模国(現在の神奈川県)にもゆかりがあります。
3. 「塩谷(しおや)」が転じた説も
「しおや」が「しぶや」に変化したという説もあります。かつてこの地域で塩の取引が行われていた、あるいは塩を運ぶ道筋にあったことが由来とする説です。
4. 渋谷川は今も渋谷の地下を流れている
渋谷の地名の由来とされる渋谷川は、現在もキャットストリートの下を暗渠(あんきょ)として流れています。渋谷駅付近で地上に出て、やがて東京湾に注ぐ古川となります。
5. 「谷」のつく東京の地名は本当に谷
渋谷・四谷・市ヶ谷・千駄ヶ谷・雑司ヶ谷など、東京には「谷」のつく地名が多数あります。これらは武蔵野台地を川が削ってできた実際の谷地形に由来しています。東京は見た目以上に起伏のある土地なのです。
6. 渋谷のスクランブル交差点は世界一有名な交差点
地名の話からは少し離れますが、渋谷といえばスクランブル交差点。一度の青信号で最大3,000人が渡るとされ、海外メディアが「世界で最も混雑する交差点」として頻繁に取り上げます。外国人観光客にとって渋谷は「SHIBUYA」として世界共通語になっています。
7. ハチ公の「ハチ」は名前の由来が単純
渋谷のシンボル・ハチ公の名前は、単に飼い主が「ハチ」と名づけたから。「八」は末広がりで縁起が良い数字とされ、犬の名前としても人気がありました。
8. 「道玄坂」は山賊の名前が由来
渋谷の道玄坂は、この坂の付近に住んでいたとされる大和田道玄という山賊(盗賊)の名前が由来と伝わります。旅人を襲っていた道玄の名が坂の名前として残っているのは、なんとも皮肉な話です。
9. 「宮益坂」は御嶽神社への参道
渋谷のもうひとつの有名な坂「宮益坂」は、坂の上にある御嶽神社(宮)のおかげで商売が繁盛する(益がある)ことから名づけられたとされています。
10. 渋谷の再開発で地名の記憶が薄れる懸念
渋谷は現在、大規模な再開発が進行中です。「渋谷ストリーム」「渋谷スクランブルスクエア」など新しいビル名が増える一方で、かつての地名や通称が失われていく懸念もあります。地名はその土地の歴史を伝える重要な記録です。
「渋い色の谷」から世界的な繁華街へ。渋谷という地名の奥には、中世の武士や川の流れ、山賊の伝説まで、何層もの歴史が重なっています。