「畳」の語源は"畳む(たたむ)"?折りたためた床材の名前の由来


1. 「畳む(たたむ)」が語源

「畳(たたみ)」の語源は動詞「畳む(たたむ=折り重ねる)」です。もともと畳は現在のような厚い床材ではなく、薄く折りたたんで持ち運べる敷物でした。使わないときは畳んでしまう敷物だったことが名前の由来です。

2. 古代は薄いゴザのようなものだった

奈良時代の畳は、藁やイグサで編んだ薄い敷物で、必要なときに床に敷き、不要なときは畳んで片付けるものでした。貴人が座る場所にだけ敷く「座具」であり、部屋全体に敷き詰める現在のスタイルとは異なっていました。

3. 部屋全体に敷くようになったのは室町時代

畳を部屋全体に敷き詰める「畳敷き」が一般化したのは室町時代以降です。書院造りの発展とともに畳が床材として定着し、江戸時代には庶民の住居にも普及していきました。

4. 「一畳」は日本独自の面積単位

畳は面積の単位としても使われ、「一畳(いちじょう)」は約1.62平方メートル(京間の場合)です。不動産の広さを「○畳」で表すのは日本独自の慣習で、畳がいかに日本の住文化に根付いているかを示しています。

5. 畳の大きさは地域で異なる

畳のサイズは地域によって異なります。京間(約191×95.5cm)、中京間(約182×91cm)、江戸間(約176×88cm)、団地間(約170×85cm)の四種類が主で、西日本ほど畳が大きい傾向があります。

6. イグサの香りにはリラックス効果

畳の原材料であるイグサには「フィトンチッド」と呼ばれる成分が含まれ、リラックス効果や空気清浄効果があるとされています。新しい畳の香りが心地よいのは、このイグサの成分によるものです。

7. 「畳の縁(へり)を踏んではいけない」

「畳の縁を踏んではいけない」という躾は、畳の縁に家紋が入っていた時代の名残とされています。家紋を踏むことは家を踏みつける行為とみなされたためです。また、畳の縁の下は隙間ができやすく、忍者が刀を差し込む場所とされた説もあります。

8. 柔道の「畳」は世界語

柔道で使う競技マットも「畳(tatami)」と呼ばれ、世界中の柔道場でこの言葉が使われています。現在は合成素材のマットが主流ですが、「tatami」という呼称は日本語のまま国際的に定着しています。

9. 畳職人は減少傾向

フローリングの普及により畳の需要は減少し、畳職人の数も減少傾向にあります。しかし近年は和モダンのインテリアブームもあり、琉球畳(正方形の縁なし畳)など現代風の畳が注目を集めています。

10. 「畳」は日本文化のキーワード

茶道・華道・書道・柔道・剣道など、日本の伝統文化の多くは畳の上で行われます。畳は単なる床材ではなく、日本の文化活動の基盤であり、「畳の文化」は日本の暮らしそのものを象徴しています。


折りたためる薄い敷物から、部屋全体を覆う床材へ。「畳む」から生まれた「畳」は、千年以上にわたって日本人の足元を支え、座る・寝る・学ぶ・戦うという暮らしのすべてを受け止めてきました。